威沙のテンプレート作成手順(新書:114mm×182mm)

緑陽社で新書を作ってみることにしたので、威沙(Revision:995)に合わせてプロファイルとテンプレートを作成します。

こちらのテンプレートで作成したPDFのサンプル(仕上がり線入り):https://drive.google.com/open?i…

とりあえず使ってみたい方へ

プロファイル+テンプレートのセット:https://drive.google.com/open?i…
  1. 上記URLにアクセスし、下向き矢印をクリックしてZipファイルをダウンロードします。適当な場所に解凍します。image
  2. 本文.txtを開き、一番下の行に小説の文章を貼り付けます。
  3. 威沙を起動し、本文.txtをドラッグアンドドロップします。
    ※ファイルを開くボタンから開く場合は、右下のファイル種別を「Text File」にしてください。
    image
  4. 威沙の画面にtxtファイルをドラッグアンドドロップすると「設定ファイル変更検出」のダイアログが表示されるので、「はい」を選択します。

    image
     
  5. プロファイル設定で「★新書版114x182~」のプロファイルを選択し、余白付与にチェックを入れます。
    image
  6. PDF変換ボタンを選択します。
    image
    これで本文.txtと同じ場所に本文.pdfが出力されます。

やりたいこと

  • 紙面のサイズは114mm×182mm(使用する印刷会社の仕様に合わせます)
  • 塗り足しは3mm
  • 表紙、中表紙、奥付はPNG画像にする
  • イラストレーターのページの代わりに注意書きをPNG画像で入れる

適当な場所にフォルダを作成

パソコンにトラブルが発生して原稿がー!ってならないように私はDropbox内に作成しています。
image

仮画像を作成

塗り足し込みの幅120mm、高さ188mm、600ppiのグレースケール画像を作成

画面はPhotoshopですが別のソフトでも、幅2835ピクセル、高さ4441ピクセルの画像を作成すれば何でも大丈夫です。
image
 

PNGで保存

仮画像はなるべく軽い方が処理が速く、出来上がったPDFも軽いので、白黒二値にしておきます。
以下の5ファイルを作成します。内容が分かるように仮に文字を入れておきます。
001.png(表1)
003.png(中表紙)
004.png(注意書き)
898.png(奥付)
900.png(表4:裏表紙)
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威沙のテンプレートフォルダをコピー

C:\(ProgramFilesとか威沙をインストールした場所)\izuna\template
内にある、defaultフォルダをコピーして、先程作成した新規ディレクトリにペーストします。
ディレクトリ名称を変更します。ここではs114x182にしておきます。
名称を変更したフォルダを開き、template.confを開きます。
テンプレート名称と説明を変更します。
Name = "★新書/右上ノンブル+タイトル/左上ノンブル+章名"	# テンプレート名称
Explanation = "defaultテンプレートカスタマイズ" # テンプレート説明
上の二行をわかりやすい名称に変更しました。
新書と入れているのは、本のサイズによってノンブル配置の%が変わってくるからです。

本文用のテキストファイルを作成

テキストエディタを開き(画面はEmEditor)文字コードをUTF-8にして保存します。image

本の基本情報、表紙画像などを指定

本文.txtには基本の情報と表紙画像の画像ファイル名を書きます。
#タイトル# 本のタイトル
#巻数# 2018
#筆者# 筆者名
#サークル# サークル名
#改版履歴# 2018年12月31日 初版

#表紙# 001.png
#中表紙# 003.png
#絵師背景# 004.png
#奥付背景# 898.png
#裏表紙# 900.png

威沙のプロファイル作成

本文.txtを威沙の画面にドラッグアンドドロップすると、「設定ファイル変更検出」というダイアログが出るので、「はい」を選択します。
image

本文・トンボ設定

プロファイルから「新書版」を選択し、「本文・トンボ設定」のタブを選択します。
紙面サイズは後から変更するのでとりあえずこのまま仮に設定していきます。
段数、文字数、行数、フォントサイズなどここではざっくりと決定し、保存ボタンを選択します。
image

プロファイルの説明を記入し、「保存」を選択します。
image
s114x182.confと名前を付けて本文.txtがあるフォルダ内に保存します。

confファイルの編集

紙面サイズを変更したいので、ポイント数を調べるために威沙のインストールフォルダにあるunit.exeをダブルクリックで起動します。
imageimage
ここで変換すると、114mmが323.14ptだとわかります。
s114x182.confをテキストエディタで開き、BaseSize_X、BaseSize_Y、templateを変更します。
余白などの調整も威沙の画面で天地の間隔など確かめつつ、confファイルを直接編集します。
[ZZ_20180317193412_FrYlAwCpJf]
Profile = "★新書版114x182/25文字18行" # プロファイル名
Explanation = "新書版114x182/25文字18行 ローカルプロファイル使用" # プロファイル説明
BaseSize_X = 323.14 # 1ページの横幅
BaseSize_Y = 515.9 # 1ページの縦幅
Head_M = 55 # ページ頭マージン
Koguchi = 28 # 小口
FontType = "fonts/ipam.ttf" # フォント種別
FontType_a = "fonts/ipam.ttf" # フォント種別(欧文)
FontSize = 8 # デフォルトの文字サイズ
Color = 0 # デフォルトの文字色
BGColor = 1 # デフォルトの背景色
LineNum = 18 # 1ページの行数
CharcterNum = 25 # 1行の文字数
NextM = 4.6 # 行間
RubyFontSize = 4 # ルビのフォントサイズ
RubyPoint = 4 # ルビ位置
StressFontSize = 8 # 圏点フォントサイズ
StressPoint = 6.625 # 圏点位置
PageFont = "fonts/ipam.ttf" # ページフォント種別
PageNumFont = "fonts/liberation-fonts-ttf/LiberationSerif-Regular.ttf" # ページ番号フォント種別
PageFontSize = 7 # ページ番号フォントサイズ
template = "s114x182" # テンプレート指定
OptionPageFont_a = "fonts/ipam.ttf" # 半角用フォント
OptionPageFont = "fonts/ipam.ttf" # オプションページ(中表紙など)の横書きフォント
TrimMark_margin = 8.5 # 余白
TrimMark_thickness = 0.1 # トンボの太さ
TrimMark_shade = 0.4 # トンボの濃さ
TrimMark_space = 5.5 # トンボと本文との距離
TrimMark_imgresize = 8.5 # トンボ使用時に塗り足しをする場合の補正値(縦横双方に適用)
Image_Space = 0 # 挿絵余白
Steps = 2,29 # 段組設定

威沙のテンプレートファイルの編集

中表紙(top.tnf)

画像で置き換えるため、画像表示部分だけ残します。
<nopagenum>
<!--背景(背景指定が無い場合でもエラーにしないため、画像ファイルが指定されていない場合はスキップする)-->
<ifdef name="TOPIMAGE">
<img download="%TOPIMAGE_DL%" src="%TOPIMAGE%" layer="0"/>
</ifdef>
<newpage/>
</nopagenum>

注意書き(illustrator.tnf)

画像で置き換えるため、画像表示部分だけ残します。
<nopagenum>
<!--背景(背景指定が無い場合でもエラーにしないため、画像ファイルが指定されていない場合はスキップする)-->
<ifdef name="DEF_INFO_ILLUSTRATOR_IMAGE">
<img download="%DEF_INFO_ILLUSTRATOR_IMAGE_DL%" src="%DEF_INFO_ILLUSTRATOR_IMAGE%" layer="0"/>
</ifdef>
<newpage/>
</nopagenum>

奥付(publisher.tnf)

画像で置き換えるため、画像表示部分だけ残します。
<nopagenum>
<!--背景(背景指定が無い場合でもエラーにしないため、画像ファイルが指定されていない場合はスキップする)-->
<ifdef name="DEF_INFO_PUBLISHER_IMAGE">
<img download="%DEF_INFO_PUBLISHER_IMAGE_DL%" src="%DEF_INFO_PUBLISHER_IMAGE%" layer="0"/>
</ifdef>
<newpage/>
</nopagenum>

右ページ(right_page.tnf)

ノンブル位置の調整をします。ページ右端からの余白はx、ページ上端からの高さはyです。
<fontmap name="title" file="%PAGE_FONT%" />
<fontmap name="page" file="%PAGE_NUM_FONT%" type="ascii" />

<nopagenum>
<!--背景(背景指定が無い場合でもエラーにしないため、画像ファイルが指定されていない場合はスキップする)-->
<ifdef name="DEF_INFO_RIGHTPAGE_IMAGE">
<img download="%DEF_INFO_RIGHTPAGE_IMAGE_DL%" src="%DEF_INFO_RIGHTPAGE_IMAGE%" layer="0"/>
</ifdef>

<!-- 通常用 -->
<font size="%PAGE_FONTSIZE%" name="page">
<string x="10%" align="right" y="4.3%" coordinate="global"><!--%PAGE_NUMBER%--></string>
</font>
<font size="%PAGE_FONTSIZE%" name="title">
<string x="15%" align="right" y="4.3%" autolength="on" coordinate="global"><!--%TITLE%--></string>
</font>
</nopagenum>

左ページ(left_page.tnf)

ノンブル位置の調整をします。ページ左端からの余白はx、ページ上端からの高さはyです。
左右のページで同じ%だとノンブル位置が行の端に合わないので調整します。
<fontmap name="title" file="%PAGE_FONT%" />
<fontmap name="page" file="%PAGE_NUM_FONT%" type="ascii" />

<nopagenum>
<!--背景(背景指定が無い場合でもエラーにしないため、画像ファイルが指定されていない場合はスキップする)-->
<ifdef name="DEF_INFO_LEFTPAGE_IMAGE">
<img download="%DEF_INFO_LEFTPAGE_IMAGE_DL%" src="%DEF_INFO_LEFTPAGE_IMAGE%" layer="0"/>
</ifdef>

<!-- 通常用 -->
<font size="%PAGE_FONTSIZE%" name="page">
<string x="10.3%" align="left" y="4.3%" coordinate="global"><!--%PAGE_NUMBER%--></string>
</font>
<font size="%PAGE_FONTSIZE%" name="title">
<string x="16.3%" align="left" y="4.3%" autolength="on" coordinate="global"><!--%PAGE_TITLE%--></string>
</font>
</nopagenum>

PDFの出力

威沙の画面にtxtファイルをドラッグアンドドロップすると「設定ファイル変更検出」のダイアログが表示されるので、「はい」を選択します。
※ファイルを開くボタンから開く場合は、右下のファイル種別を「Text File」にしてください。
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プロファイル設定で先程作成したプロファイルを選択し、余白付与にチェックを入れます。
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私はTATEditorで編集した時と同じ見た目で仕上がってほしいので、「詳細設定」タブを選択し、ルビバランスと全角空白行削除のチェックを外します。
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PDF変換ボタンを選択します。
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これで本文.pdfが出力されます。

最終的に入稿する時にはページ数を「3-奥付のページ数」と指定します。
表紙を001として入れているのは中表紙を3ページ目にするためです。
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